増築
片廊下の細い柱に怯む、2棟のアパートである。 一棟は外廊下、もう一方には妻面に増築痕がみられ、場当たり的な活力を漂わせている。
元来は玄関側の片側下野タイプだが、裏側にも増築の下屋もどきが取り付いたアパートである。 裏側の下野は2段階に亘って増築された痕跡があり、便利な半屋外空間として活用されている様子が窺える。
アクセス形式に特徴があるアパートである。各階ごとに共用玄関があり、中廊下から各戸にアクセスするようである。
道路側は普通の古びたアパートだが、裏側は稀にみる超絶増築物件である。
道路に面した長屋2棟である。 すでに空家であるようで、度重なる補修でカオス感と老朽化が目につく。道路側はまだ当初の端正なプロポーションを保ち表面的なカオスに留まっているものの、裏側は下屋周りの増改築が激しく、まるで別世界である。
以前は美容院が入ったアパートを紹介したが、今度は理容室である。 ただし本事例では、理容室のエントランスが営業用に改修されているのみならず、他の4戸もすべて増築をおこなっているのが印象的である。